「担当者によってデザインや言葉づかいがバラバラ」「SNSとパンフレットで会社の印象が違う」——そんな悩みはありませんか?原因の多くは、ブランドの表現ルールが明文化されていないことにあります。本記事では、中小企業が自社で取り組めるブランドガイドラインの作り方を5つのステップで解説します。少人数の会社でも、発信のブレをなくし、ブランドを資産として育てる第一歩になります。
ブランドガイドラインとは?中小企業にこそ必要な理由
ブランドガイドラインとは、ロゴの使い方、ブランドカラー、フォント、写真のトーン、言葉づかい(トーン&マナー)など、ブランドを表現する際のルールをまとめた「ルールブック」です。大企業だけのものと思われがちですが、実は少人数の中小企業にこそ効果があります。担当者が兼務で入れ替わりやすく、外注先も案件ごとに変わる中小企業では、ルールがないと発信のたびに印象がブレてしまうからです。簡易版でも一度つくっておけば、名刺・Webサイト・SNS・提案資料まで一貫した印象を保て、認知の蓄積スピードが大きく変わります。
ブランドガイドラインの作り方:5つのステップ
作り方はシンプルです。次の5ステップで進めましょう。
- ブランドの軸を整理する:ミッション・ビジョン・バリューやブランドコンセプトを言語化します。詳しくはMVVの作り方をご覧ください。
- 現状の表現を棚卸しする:ロゴ、名刺、Webサイト、SNS、チラシなどを一覧にし、統一されている点・バラついている点を洗い出します。
- ビジュアルルールを決める:ロゴの最小サイズや余白、メインカラー・サブカラー(カラーコード指定)、使用フォント、写真の明るさや構図の方向性を定めます。
- 言葉のルールを決める:「です・ます調か」「お客様か、お客さまか」など表記と口調を統一し、よく使うキャッチコピーや自社の説明文をテンプレート化します。
- 1つのドキュメントにまとめる:最初はA4で5〜10ページ程度、社内共有しやすいPDFやスライド形式で十分です。
中小企業がつまずきやすい3つの落とし穴
よくある失敗が3つあります。1つ目は「完璧を目指して完成しない」こと。最初から大企業並みの分厚いガイドラインを目指すと途中で挫折します。まずはロゴ・カラー・口調の3点だけでも効果は十分です。2つ目は「デザインルールだけで軸がない」こと。見た目のルールの前に、自社がどんな立ち位置を取るのかというブランドポジショニングが定まっていないと、ルールが形骸化します。3つ目は「作って満足し、更新しない」こと。事業やサービスが変われば表現も変わります。年1回の見直しをあらかじめ予定に組み込みましょう。
ガイドラインを社内に浸透させる運用のコツ
ガイドラインは作ることより「使われること」が重要です。まず、全員がすぐアクセスできる場所(共有フォルダやチャットツールのピン留め)に置きましょう。次に、ロゴデータやテンプレートをガイドラインとセットで配布すると、守るほうが楽な状態をつくれます。外注先への発注時にもガイドラインを添付すれば、修正のやり取りが減り、制作コストの削減にもつながります。ある調査では、ブランド表現の一貫性が高い企業は認知や信頼の獲得で優位に立つとされており、日々の小さな発信の積み重ねこそがブランドを育てます。
まとめ:小さく作って、育てるガイドラインを
ブランドガイドラインの作り方の要点は、①ブランドの軸の整理、②現状の棚卸し、③ビジュアルルール、④言葉のルール、⑤1つのドキュメント化、の5ステップです。最初は3〜5ページの簡易版で構いません。「ブレない発信」は中小企業が低コストで信頼を積み上げる最良の手段です。まずは自社のロゴ・カラー・口調の3点から、今週中に棚卸しを始めてみませんか。